犯罪アクションの新境地
「頼む、助けてくれ」。莫大な借金を抱え、命を狙われている親友のリースに懇願され、組織の現金を強奪する企みに協力したウォーカー。計画は上手くいったものの、土壇場でリースに銃撃され、金を独り占めにされたあげく、妻も奪われ逃げられてしまった。
親友と思っていた男と、愛し合っていたはずの妻リン。その二人から同時に裏切られたのだ。重傷を負ったウォーカーは独房に置き去りにされる。

生き延びたウォーカーは、数年後、遊覧船の船上で、ヨストと名乗る男に話しかけられる。リースはいま高級マンションでリンとともに豪勢な暮らしを送っているらしい。
組織でトップの座を狙うヨストは、強奪金の分け前を取り返す手助けをするから、自分と手を組もうとウォーカーに持ちかける。こうしてウォーカーの復讐劇が始まった――。
ヨストに教えられた部屋にリースはいなかった。リンと別居しているのだ。不貞の経緯と悔悟の念を口にするリン。リンがリースに抱かれていたはずのベッドにピストルを連射するウォーカー。愛と憎しみが錯綜する。リンは自ら命を絶ってしまう。

ウォーカーは、リンの生活費を運んできたチンピラの口を割らせて人脈をたどり、リースに復讐するとともに、分け前の金を取り返すべく、幹部たちに戦いを挑んでいく。ハリウッドきってのタフガイとして鳴らしたリー・マーヴィン。その破壊的なまでの格闘アクションが凄まじい。
全裸でビルの屋上から落下する男。ウォーカーと勘違いされスナイパーに撃たれる男。ウォーカーに盾突き、非業の死を遂げる男たちの無様な最期を、オーソン・ウェルズ監督「黒い罠」の冒頭12分を撮ったことで知られる名カメラマン、フィリップ・H・ラスロップが、ハードボイルドに切り取って見せる。